貧乏人が猫を飼うと、命を助けてあげられない
私が子どもだった頃、雑種のオスの子猫を友人の家から貰いました。
感情・表情が豊かな猫!雑種と言われると嫌なようですW♥♥猫との会話を楽しむ動画 Conversation with a cat
何匹かの中から選んだのですが「一番元気が良い」と言われた子にしました。
その猫が家に来てから1ヵ月か2ヵ月たった頃、外に出るようになりました。
当時、猫は外に出るのが当たり前だと思っていたので、何も気にしていなかったのですが、実は私の家の周りには猫を飼っている家庭が多く、私の家の敷地内も、既に他所の猫の縄張りだったのです。
うちの猫は、まだ子猫だったので、当然の様にケンカに負けて帰って来ました。
それからまた傷も癒えない内に、うちの猫は外に出て行きました。
すると家の裏の方からケンカの声が聞こえて来ました。慌てて探しに行ってみると、木の枝の上でうちの猫が、倍も大きい他所の猫と戦っていました。
しかし既にうちの猫は血だらけで、足の肉が見える程ボロボロになっていました。
私はほうきを持って他所の猫を追い払うと、うちの猫を抱いて家の中に入りました。
家の中では母が夕飯の支度をしていましたが、猫を見ると消毒をして薬を塗り、包帯を巻いて応急処置をしました。
私が「病院へ行かなくても大丈夫かなぁ。」と聞くと、母は「これくらいは大丈夫だよ。」と言いました。
何週間かすると猫の傷も治りました。
そして1年ほど経つと身体は大きくなり、近隣のボスへと成長しました。
それから3年ほど経ったある日。
気が付くとうちの猫は少し小さくなっていました。
「おかしいな」とは思ったのですが、暑かったので「夏バテかな」くらいに考えていました。
そして1ヵ月も経たない内に、うちの猫はやせ細ってガリガリになってしまいました。
さすがに病院に連れて行くことになりました。
すると「幼少期のケガが原因で鼻の内部が炎症を起こして腫れていて、呼吸があまり出来なくなっている。」とのことでした。
しかし我が家では「手術に掛けられるお金は無い。」という話になり、数週間後うちの猫は呼吸が出来なくなって死んでしまいました。
今思い出しても、とても悲しいことですが、当時はペットに対する考え方も今とは違っていたし、保険もあったかどうか定かではないので、家庭の事情によっては仕方がなかったのだと思います。
病院が近くにないことは、愛猫を殺すことにつながってしまう
私が住んでいるところは、田んぼに囲まれたような場所です。
コンビニに行くにも車で行かなければなりませんし、日常的な買い物をしようとスーパーに行くのにも車で30分~1時間程度かかります。
そんなのどかな場所なので、自然も多く、飼っていた猫をのびのびと育てることができました。
しかしある日突然、猫が聞いたことがないような泣き声で泣くようになり、最終的には嘔吐を繰り返すようになりました。
こんなことは初めてだったので私もどう対応したらよいのか分からず、急いで動物病院を調べることにしました。
しかし近場に動物病院はなく、一番近い病院でも車で2時間かかってしまうのです。
一先ず電話で対処方法を聞き、急いで連れてくるようにと言われたので、私はできるかぎり急いで病院まで車を走らせました。
夕方ということもあり、町の方は帰宅ラッシュで混雑していました。
そのため2時間で到着予定が2時間半かかってしまい、病院についた頃には猫はぐったりとしていました。
医師は急いで対処してくれたのですが、その時にはもうすでに手遅れの状態になっていました。
2時間半以上も苦しい思いをさせてしまったと思うと、私は涙が止まりませんでした。
自然の中でのびのびと育てることができるという良さばかりに目が行き、どうしていざというときに病院が近くにないというデメリットを考えることができなかったのだろうと、自分に腹が立って仕方がありませんでした。
小さな命を助けることができなかったというのは、何年経っても忘れられません。
獣医に乱暴に愛猫を押さえつけられた。
うちの猫はあまり人になつかないのですが、病院に行くと機嫌がさらに悪くなることが多かったです。
その日は健康診断のために猫を病院へ連れて行くつもりでしたが、近所の病院が一杯でした。
そこで、あまり行ったことがない病院に行くことにしました。
健康診断だけだから、どこでもあまり変わらないと思っていたからです。
いつも行く病院を基準に考えていたので、スムーズに終わると考えていました。
初めて行ったその病院は空いていました。
患者さんが少ないのかなと思った覚えがあります。
診察室に通されて、うちの猫は臨戦態勢になりました。
ここまではいつものことなのですが、いつもなら先生がうちの猫をなだめてくれてから、診察してくれます。
しかし、その先生は生意気な猫だなと言うと、乱暴にうちの猫を押さえつけました
猫はかなり興奮してバタバタと暴れているのですが、お構いなしに診察を続けていったのです。
私は目の前で起こっていることに呆然としてしまって、何もできませんでした。
猫にひっかかれたり、噛みつかれたりしながらも健康診断は終わりました。
診察が終わってからも、うちの猫は興奮していたのを覚えています。
結果だけ見れば無事に診察は終わったのですが、何か釈然としないものが残りました。
あとで他の病院の人に、その対応のことを聞いたら、かなり怒っていました。
猫のことを考えない、そのような診察の仕方はあまりしないと聞いて安心しました。
どこでもそんな対応をするのでは、病院に連れていくのを躊躇します。