猫が亡くなってからも思いを引きずるくらいなら、飼わなければよかった
我が家で飼っている猫は、全部拾われてきました。
具合が悪くなったのは、3番目に拾われて来た子猫で、まだ目も開かないような状態で我が家にやって来ました。
その日は元気そうにしていたのですが、夕方になるにつれて元気が無くなり、寝床としたタオルの中でぐったりとしてしまいました。
息も浅く、ミルクも喉を通らない状態になり、とにかく早く動物病院へ連れて行こうと思ったのですが、その日は休日で病院は休診になっていました。
他の2匹も心配そうに、子猫の身体や足を舐めたりしているのを見て、私も家族も切ない思いで胸が痛くなりました。
ガーゼに水を含ませて口に押しあてて水分を取らせたり、手足を撫でて刺激を与えたりと、思いつく事を交代でやりながら日にちが変わるのを待っていました。
明け方頃になって、子猫が小さく口を開けて鳴いたような気がしました。
何か言いたい事があるのか、言葉が通じれば良いのにと、我先にと耳を近づけて子猫の呼吸を聞きました。
日付が変わり、朝一番で病院に連絡を取って診察を受けるまで子猫は頑張ってくれました。
時間の過ぎるのがこれ程長く感じた事はありませんでした。
抱きかかえて連れて行った子猫を見た病院の先生は、難しい顔のまま丁寧に診察をしてくれましたが寿命を延ばす事はできませんでした。
短い間だけでしたが、家族であったのだからと動物供養の法要をしました。
何か言いたい事は無かったのかと今でも思います。
線香の煙が立ち上って消えて行った光景は、今でも忘れる事はできません。
こんな思いを引きずるのなら、猫を飼わなければよかったなあと思います。